日本農芸化学会誌
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麹菌の自然変異に関する研究
(第10報)緑色のConidia生成の細胞学的研究
石谷 千代子坂口 謹一郎
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1954 年 28 巻 11 号 p. 903-909

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抄録
Asp. sojaeのcolor mutant間Y1+Al4のmix-culture又は, Y1をAl4のculture-filtrateを含む培地に植えて生じたwild typeに似た緑色のconidiaの細胞学的研究を行つた.
1. Mix-cultureによつて生じた緑色のconidiaの中に, 4~8個の核を含むconidiaがみられたが,之れはYellow又はAlbino-typeのconidiaの核(4個)よりやや多い.
2. (i)上記mutantのmix-cultureによつて生じた緑色のsingle headの中には,全部緑色のconidial chainからなるものと, Yellow, Albino及びGreenの3種のconidial chainからなるものとの2種類があつた. (ii) Yellow-typeとAsp. oryzae mutant以外の菌株のmix-culture又はculture-filtrateによつて生じたheadは全部緑色のconidial chainからなつていた.
3. 胞子形成時に, Yellow又はAlbinc-type mutant及びwild typeのAsp. sojae Kikkomanは, sterigmataから核が1個移動するが, mix-cultureによつて生じた緑色のconidiaの場合は, 1個又は2個移動するのがみられた.
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