日本農芸化学会誌
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甘藷の生長・肥大に関する研究(第7報)
肥培条件の異なる生育と澱粉の無機成分およびフォトペーストグラフィー
鈴木 繁男田村 太郎根本 芳郎荒井 克祐小野田 正利大田 陽一郎
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33 巻 (1959) 12 号 p. 1080-1087

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抄録

品種的特性の著しく異る農林1号及び沖繩100号種の甘藷について,カリ及びチッ素の施用量を変えて栽培して,その生育状況が塊根及び澱粉の無機成分に及ぼす影響を比較検討し,あわせて澱粉の糊化時の透明度の増大から,各種施肥条件で生成される澱粉の高分子的性状を研究した.
(1)カリウム及びチッ素が蔓重,総藷重,切干歩合,澱粉歩留に及ぼす影響はこれまでの報告と一致した結果が得られた.
(2)塊根の粗灰分含量はカリ施用量に比例して増加するが,沖繩100号の方が農林1号より常に多い.チッ素の影響は明らかでない.
(3)甘藷の無機成分中カリウムが最も多いが,沖繩100号が農林1号より常に多い.
(4)カルシウム,マグネシウム,鉄,リンは両品種ともほぼ同様であった.
(5)これらの甘藷から分離した澱粉中の無機成分としてカリウム,カルシウム,リン,鉄を定量した.リンは農林1号に多く,カルシウムはカリ試験区以外では,やはり農林1号に多い.カリウム,リンは大差なかった
(6)原料甘藷と澱粉中の無機成分を比較すると,沖繩100号中の無機成分が水洗により溶脱しやすいことが,特に粗灰分,カルシウムで認められた.カリウムも沖繩100号の水洗回数が少いにかかわらず,残存率が少い.また鉄は操作中に増加して,原料甘藷の2倍位になった.
(7)フォトペーストグラフィーにより農林1号の糊化温度が低いこと,カルシウム含量の多い澱粉は膨潤が少いことを知った.

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