1960 年 34 巻 2 号 p. 128-132
B. subtilisに属する一細菌が分泌する細菌リゾチームの基質多糖類に対する作用機構を明かにする為, M. lysodeikticusから細胞膜多糖類を調製し,細菌リゾチーム,卵白リゾチームをそれぞれ作用せしめて分解限度,分解生成物を比較して検討した.その結果,
(1) 細胞膜多糖類の調製方法によってその価はやや変動したが,細菌リゾチームは常に卵白リゾチームより劣る還元力の生成を示した.
(2) 酵素反応の生成物として,卵白リゾチームの場合はグルコサミン及びグルコーズよりなるオリゴ糖とグルコサミン及び未知アミノ糖よりなるオリゴ糖を見出したに反し,細菌リゾチームの場合はグルコサミン及び未知のアミノ糖よりなるオリゴ塘区分が主として見出されることが判明した.