35 巻 (1961) 4 号 p. 380-384
前報の成績からの条件を検討する必要を認めたので,本報では接種菌液の凍結条件を検討し,その結果に基いて凍結保存並びに凍結乾燥を行なって次の成績を得た.乳酸菌と酵母では凍結に対する態度が著しく異なるが,いずれも-24°以下の凍結温度(寒剤浴温度)では生残率が著しく低下し-65°で乳酸菌は55%,酵母では1%になる. pulp disc法に適当な接種濃度附近の菌濃度で凍結を行なった場合(-24°,媒質として1%グルタミン酸ソーダ使用)L. arabinosusでは菌濃度による生残率の差は少ないが, S. carlsbargensisでは若干の差異が認められた.同様な凍結条件下で種々の懸濁媒質の保護効果を検討した結果,グルタミン酸ソーダ,グリセリン添加燐酸緩衝液等が有効であることを認め,菌洗滌の際にこれらの有効媒質を用いることにより更に効果を昂めることができた.乳酸菌については上記の有効な条件下で予備凍結を行なって後,凍結乾燥を行なって良好な結果を得た.また凍結菌液を-20°で保存したが, 2か月後,生残率の減少は極めて少なかった.