日本農芸化学会誌
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人乳蛋白質に関する研究(第2報)
人乳と牛乳のカゼインの酸および無機塩類に対する沈殿性の差異
前野 正久清沢 功
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35 巻 (1961) 8 号 p. 768-772

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抄録

(1) 入乳カゼインのT. C. A.可溶性窒素量は牛乳カゼインの約2倍量であり, 40°, 24時間保持した場合,人乳カゼインにおいて顕著なる増加が認められた.
(2) 硫酸アンモニウムによるカゼインの沈殿性は,牛乳カゼインでは0.38飽和で完全に沈殿するのに対して人乳カゼインは約40%が沈殿するのみであり,さらに0.6まで飽和度を上げても完全に沈殿し得なかった.
(3) カゼインの無機塩類に対する凝集率は,塩類濃度0.1Mにおいて人乳では塩化カルシウム>塩化バリウム>塩化マグネシウム>塩化ストロンチウム>の順に凝集率が大であり,牛乳では塩化バリウム>塩化カルシウム>塩化ストロンチウム>塩化マグネシウムの順であった.また塩化カルシウム濃度0.1~0.5Mにおけるカゼインの凝集率は変化しないが,人乳カゼインは約30%,牛乳カゼインは約70%が凝集した.

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