日本農芸化学会誌
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反芻獣第1胃内発酵の生態的機作に関する研究(第5報)
単離菌株の大量添加による反芻獣第1胃内発酵菌群の揮発性脂肪酸産生能について(その2)
大岡 忠昭湊 一遠藤 明樋口 允子村上 健夫植村 定治郎
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1964 年 38 巻 10 号 p. 491-495

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抄録

Warmer型人工ルーメンを用い,ルーメン発酵菌液(ルーメンガーゼ濾液)に非澱粉分解性繊維素分解菌(Bacteroides succinogenes 912-2株)あるいは酢酸産生型繊維素分解菌(Eubacterium sp. 864株)を大量に添加し, 38°, 4あるいは8時間培養時における繊維素あるいは澱粉よりのVFA産生作用について検討した.得られた成績は次の通りである.
(1) ルーメン上清培地中における864株の繊維素あるいは澱粉に対するVFA産生型を調べると,これらの基質に対してルーメン発酵菌液の示すパターンにきわめてよくにていた.
(2) ルーメン上清培地中における912-2株の繊維素あるいは澱粉に対するVFA産生型を調べるといずれの基質にも共通して酢酸,プロピオン酸の生成比の増大と酪酸及びC5以上の脂酸類の減少と認めた.
(3) ルーメン発酵菌液に単離菌株を大量に添加したとき及び無添加時の繊維素あるいは澱粉よりの全VFA産生量について調べた. 912-2株添加時(ルーメン発酵菌液の約2倍量)には澱粉に対するよりも繊維素よりの全VFA産生量の高まりがあった.また864株添加時(ルーメン発酵菌液の約26倍量)には,澱粉あるいは繊維素いずれの基質よりの全VFA産生量の増量も僅少であった.
(4) ルーメン発酵菌液に864株を大量に添加したときの繊維素あるいは澱粉よりのVFA産生型は,ルーメン発酵菌液そのものによって示されるパターンを示し単菌の性質がほとんどあらわれていない.
(5) ルーメン発酵菌液に912-2株を大量に添加し8時間培養時における繊維素よりのVFA産生型は,酢酸,プロピオン酸,酪酸,C5以上の脂酸のいずれの生成比も増大し,ルーメン発酵菌液そのものの示すパターンをさらに強化した形であらわれている.澱粉基質時には4あるいは8時間培養時のVFA産生型に菌添加の影響な認めることができなかった.

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