抄録
実験に供しえたグルタミン酸生産菌207株について菌学的諸性質を検討し下記の知見を得た.
(1)菌形は培養時期により変化し,短桿状→桿状→楕円ないし類球状→短桿状の生活環を有する.
(2)グラム陽性であるがしばしばグラム陰性菌が認められる.これは死菌と見なされる.
(3)テルライト培地に良く生育し灰色ないし黒色のコロニーを形成する.
(4)スキムミルク中で耐熱性を示さない.
(5)硫化水素の生成はシスチン添加培地で振盪培養あるいは寒天平板培養を行うと全株に認められる.
(6) 7%食塩に抵抗性である.
(7)炭水化物からの酸生成は菌株によりまちまちの結果を得たがそれらの再現性はよい.
(8)ビオチン単独要求株以外ビタミンB1あるいはパラアミノ安息香酸との複栄養要求菌株が存在する.
(9)生理学的性質については既往の報文と異なる場合が多く,培養日数の不足あるいはContaminantによる誤記の影響と見なされる場合がある.