日本農芸化学会誌
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味醂に関する研究(第5報)
煮切について
山下 勝大倉 鎮夫河村 稔土井 新次
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1967 年 41 巻 9 号 p. 417-421

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抄録

(1)味醂の煮切はアミラーゼにより,そのまわりの澱粉層を剥離された米粒中の蛋白が醪液中に溶出され,これが醪中のプロテアーゼにより部分的に分解されたものと考えられ,この等白は米麹の酵素蛋白とは異なるものである.
(2)味醂の煮切の生成にはいろいろの条件が関与しているが,最も大きいものはアミラーゼによる澱粉の分解作用の強弱である.
(3)酵素力をある線以下におさえることによって,味醂製造における煮切の生成を防ぐことが可能である.

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© 公益社団法人 日本農芸化学会
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