1975 年 49 巻 4 号 p. 189-196
緑白熟期のトマト果実を温度の異なる環境下で貯蔵した結果,
(1) 4°C中では,追熟がおこらないうちに低温障害を生ずる. 15°C, 20°C, 25°Cおよび室温では追熟がすすみ,過熟状態となり長期の貯蔵はできなかった.
(2) 終始33°Cに貯蔵した果実はリコピンの生成がなく,ペクチンの分解も少なく,長期間腐敗しなかったが,貯蔵期間が長くなると重量減が目立つようになった.
(3) 緑白熟期より催色期にある果実を, 33°Cに10~20日貯蔵後に室内に移して貯蔵した果実は,リコピンが徐々に生成されるが,果実は比較的硬く保たれ, 4~7カ月の貯蔵が可能であった.