52 巻 (1978) 10 号 p. 457-462
(1) ニワトリの卵黄に,プロテアーゼインヒビターが存在することを見出した.このインヒビターのトリプシン阻害活性は,胚発生の進行とともに増大した.
(2) 孵卵直前および16日目の卵黄から脱脂,トリス塩酸緩衡液抽出,ついで硫安塩析法で部分精製した粗プロテアーゼインヒビターは,ウシの膵臓トリプシン以外にウシの膵臓キモトリプシンおよび細菌アルカリ性プロテアーゼにも阻害を示した.
さらに両インヒビターは,これらの3種のプロテアーゼに対する阻害活性のパターンを異にすることが認められた.
(3) 両インヒビターは常温ではpH1から12までの範囲および中性70°C加熱では安定であった.しかし, 0.1M NaOH処理および90°C加熱では失活した.
(4) 卵黄中の内因性プロテアーゼは酸性プロテアーゼであり,卵黄プロテアーゼインヒビターによっては阻害をうけないことが認められた.