ショウガ本来の香気成分を明らかにする目的で,大ショウガ,オタフク種の新ショウガ,種ショウガ,および親ショウガを水蒸気蒸留して得た精油の成分を分析した.
いずれのショウガの精油も,モノテルペノイド特にその含酸素化合物が主体であり,セスキテルペノイドの含量は低い.本実験によって,モノおよびセスキテルペノィドを含めて19成分を同定した.このうち主成分の酢酸ゲラニルとΔ3-カレン,α-テルピネン,α-テルピネオール,およびネロールはこれまでに報告されていない.
新ショウガの精油では,1, 8-シネオール,ネラール,ゲラニアール,ゲラニオール,酢酸ゲラニル,およびジンギベレンを主要成分とする.種ショウガおよび親ショウガの精油では,新ショウガに比べて,ゲラニオールおよび酢酸ゲラニルが顕著に少なく,ネラールおよびゲラニアールが著しく多い.