日本農芸化学会誌
Online ISSN : 1883-6844
Print ISSN : 0002-1407
ケツルアズキ胚軸の酸可溶性ヌクレオチドに関する研究
林 隆久楠瀬 博三鴛渕 武雄
著者情報
ジャーナル フリー

52 巻 (1978) 8 号 p. 301-308

詳細
PDFをダウンロード (591K) 発行機関連絡先
抄録

ケツルアズキモヤシの胚軸について,酸可溶性ヌクレオチド類を抽出し,陰イオン交換クロマトグラフィーにより, 14個のピークに分画した.これらの各画分をペーパークロマトグラフィーによって精製した後, HSLC, PEI-TLC, PPC, K-TLC, GLCおよび化学分析等によってヌクレオチドを分離同定した.その結果, CMP, AMP, UMP, NADP, ADP, UDP-N-アセチルグルコサミン, ATP, UTPおよびGTPなどを同定した.さらにクロマトグラフィー的にUDP-D-グルコースと同じ挙動を示したUDP-sugarsは,UDP-L-ラムノース, UDP-L-アラビノース, UDP-D-キシロース, UDP-D-グルコース, UDP-D-ガラクトースと推定した.なお,これらUDP-sugarsの糖成分は,同心胚軸に存在する多糖類の構成単糖と一致した.
成長機能への目安として,これらヌクレオチド類を胚100本当りの含有量として, 3日, 5日, 8日および10日目の胚軸について量的変化を求めた. AMPは日を経るにつれてしだいに減少するが, ADPは逆に増加し,また,ヌクレオシドトリリン酸の総量は8日目までは,ほぼ一定に保たれていたが, 10日目には著しく低下した.したがって,エネルギーチャージは10日目で減少するが, UDP-sugarsの総量はより顕著に減少して,多糖類生合成能の低下を明らかに示した.

著者関連情報
© 公益社団法人 日本農芸化学会
次の記事

閲覧履歴
feedback
Top