日本農芸化学会誌
Online ISSN : 1883-6844
Print ISSN : 0002-1407
ISSN-L : 0002-1407
カラタネオガタマ (Michelia figo Spreng.) の花の揮発性成分について
達家 清明末兼 幸子小浜 正江
著者情報
ジャーナル フリー

1986 年 60 巻 6 号 p. 457-461

詳細
抄録

カラタネオガタマ(Michelia figo Spreng.)の花を採取後直ちにヘッドスペース法,連続蒸留抽出法(SDE)および溶剤抽出法で香気成分を捕集,濃縮しGC-MSで42成分を同定した.ヘッドスペース法では,isobutyl acetate, ethyl acetateに次いで多い成分であるethyl isobutyrateがこの花の香を特徴づけている.また異性体関係にあるethyl methacrylateとethyl crotonateが共存することは注目される.SDE捕集成分の約1/3はセスキテルペン類で,それらを除く香気物質は花100g当り約0.1gである.溶剤抽出法ではプロピオン酸を除いて,エステルとして存在する酸およびアルコール類はすべて遊離の形で検出されている.

著者関連情報
© 公益社団法人 日本農芸化学会
前の記事 次の記事
feedback
Top