日本農芸化学会誌
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カワラケツメイ中のリパーゼ活性阻害成分
志村 進都築 和香子伊東 禧男小林 昭一鈴木 建夫
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1993 年 67 巻 11 号 p. 1583-1589

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抄録

リパーゼに作用する阻害物質を探索するために,溶媒可溶性のリパーゼB-界面活性剤複合体を用い,合水有機溶媒中で基質ならびに酵素が均一に溶解した反応系を使用して,マメ科植物カワラケツメイ中に含まれるリパーゼ阻害成分の解明を行った.その結果,阻害成分の1つがフェオホルビドaであることを同定し,この他にも類似の成分の存在を認めた.また種々の反応系においてフェナホルビドを始めクロロフィル関連物質の阻害効果を検討Lた結果,化合物間での阻害の強さは反応系により異なるが,ポルフィリン骨格を有する化合物の多くで,阻害を示すことが認められた.またブタ膵リパーゼを用いた,より生体に近い水系での反応系ではクロロフィリンの金属錯塩に高い阻害効果が認められた.この阻害作用に対するカゼインならびにBSA添加の影響をフェノール系の阻害物質(エピガロカテキンガレート)の場合と比較した結果,エピガロカテキンガレートとは阻害の機構が異なることが示唆された.

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