日本農芸化学会誌
Online ISSN : 1883-6844
Print ISSN : 0002-1407
ISSN-L : 0002-1407
ラ・フランスの香気成分と西洋ナシ香気パターンの品種間比較
飛塚 幸喜
著者情報
ジャーナル フリー

2003 年 77 巻 8 号 p. 762-767

詳細
抄録

ヘッドスペースGC法によりラ・フランスの揮発性24成分を同定した.揮発性成分は主にアルコール類(8種),アルデヒド類(4種),エステル類(10種)から構成されていた. AEDA法により各成分の香気寄与度を測定したところ,酢酸ヘキシル,酢酸ブチルの寄与度が最も高く,次いでアセトアルデヒドおよびヘキシルアルデヒド,その他の酢酸エステル類の順であった.
西洋ナシ10品種の主要な揮発16成分を比較したところ,品種により揮発性成分の組成および量に大きな違いが見られ,揮発性成分量の最も多い品種と少ない品種では,総ピーク面積値で約8倍の違いが見られた.また揮発性成分量の多い品種は官能的にも香気が強い品種であった.各揮発性成分のGCピーク面積値を変数としてクラスター分析を行ったところ,多くの品種で交配親と交配種が一つのクラスターを形成し,品種間の近縁度とクラスター形成に相関が見られた.

著者関連情報
© 公益社団法人 日本農芸化学会
前の記事 次の記事
feedback
Top