日本食品科学工学会誌
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技術論文
脱臭処理大豆の成分, フレーバおよび物性に基づく品質評価
添田 孝彦外園 亜紀子大村 浩久
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2005 年 52 巻 5 号 p. 236-240

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抄録

短時間熱処理により脱臭処理が施された大豆について品質評価をおこなった.
(1) 水分は対照区大豆に対して処理区大豆は約7%低かったが, その他の一般組成およびアミノ酸組成では大きな差異はみられなかった.
(2) ガスクロマトグラフ分析により, n-hexanalおよびn-hexanolのピーク面積および総フレーバ面積の減少から, 処理区大豆粉および処理区SPIは明らかに対照区に比べて大豆香気が低減された.
(3) 処理区SPIゲルは対照区SPIゲルに対して赤味とくすみが少ない鮮やかな黄色をもった.
(4) クリープ試験から処理区SPIゲルは対照区SPIゲルに比べてE0は低く, ηNは高いことから, 弾力をもったしなやかで粘りのあるゲルであることが示された.
(5) 官能評価結果から, 処理区SPIゲルは大豆臭, 特に収斂味が低減し, しなやかなゲルであるといえた.

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© 2005 日本食品科学工学会
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