2006 年 53 巻 3 号 p. 185-188
イソフラボン含有量の多い納豆を製造するために,納豆製造工程におけるイソフラボンの消長を調べた結果,挽割納豆では大豆の破砕により生成した大豆粉末にイソフラボンが9.8%移行するが,粒納豆では洗浄・浸漬・蒸煮などの工程からはイソフラボンが漏出することは殆どないことが判った.一方納豆の製造工程において起こる大豆イソフラボンの組成と量の変化は,主に浸漬大豆の蒸煮によるマロニル配糖体からイソフラボン配糖体への分解及び煮豆の発酵によるイソフラボン配糖体からのサクシニル配糖体の生成によるものであることが示唆された.