秋冬作における有機及び慣行栽培ホウレンソウの品質成分の実態を明らかにするため,現地調査を行った.有機および慣行栽培ホウレンソウをペアにして各16圃場からホウレンソウを採取し,アスコルビン酸,β-カロテン,硝酸,シュウ酸,スクロース,遊離アミノ酸含量を調査した.慣行栽培ホウレンソウではβ-カロテン含量が,有機栽培ホウレンソウでは遊離アミノ酸含量が生体重および乾物重当たりで有意に高かった.β-カロテン含量はホウレンソウの全窒素,硝酸含量に正比例することから,土壌中の窒素供給量の違いが主要因と考えられた.遊離アミノ酸の違いについては,決定的な要因は見いだせていない.