日本食品科学工学会誌
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γ-アミノ酪酸(GABA)を増強したサトウキビ乳酸発酵飲料の開発
広瀬 直人氏原 邦博照屋 亮前田 剛希吉武 均和田 浩二吉元 誠
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2008 年 55 巻 5 号 p. 209-214

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抄録

サトウキビ搾汁液を乳酸発酵させてGABA増強など栄養生理機能付与による,高い機能性を有した乳酸発酵飲料の開発を行い,以下の結果を得た.
(1)サトウキビ搾汁液を含むサトウキビ乳培地を用いて,GABA生産量と官能評価を指標にスクリーニングした結果,Lactococcus lactis NH-61株を選抜した.培地中のサトウキビ搾汁液濃度を高めると乳酸発酵飲料中のGABA含有量は増加し,脱脂乳の濃度を下げるとGABA含有量が低下することから,培地組成はサトウキビ搾汁液30%,脱脂乳10%が適当であった.乳酸菌スターターの添加量はGABA含有量に大きく影響しなかった.発酵温度は30℃以上が適しており,20℃以下ではGABA含有量が増加しなかった.培養時間は48~72時間が適していた.サトウキビの品種や収穫時期によってGABA含有量は異なるが,サトウキビ乳酸発酵飲料中のGABA含有量には大きな差異は生じなかった.
(2)サトウキビ乳酸発酵飲料はカリウムやマグネシウム等のミネラルを多く含み,ポリフェノール含有量や抗酸化性も増加した.また,抗変異原性も高い値を示した.

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© 2008 日本食品科学工学会
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