日本食品科学工学会誌
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キャノロールを高濃度に含有するラジカル捕捉活性の優れた菜種油製造法の開発
若松 大輔森村 茂今井 貴士湯 岳琴前田 浩木田 建次
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2008 年 55 巻 5 号 p. 233-238

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抄録

菜種原油からラジカル捕捉活性物質であるCanololを効率的に回収し,精製油に添加することで機能性の優れた新規菜種油を製造することを試みた.Canololの回収法については,回収率が高くリン脂質などの不純物の混入が少ない水蒸気蒸留が適していることがわかった.Canololを高濃度に含む焙煎菜種原油から水蒸気蒸留により回収したものを菜種精製油に添加し評価した結果,酸化安定性および熱安定性は優れていたが,光安定性に若干の問題点があることがわかった.味や香りに関しては,独特の焙煎臭が感じられるが,特に悪いと感じるものではなかった.上述したように揚げ物用油としての可能性のほかに,風味を生かしたテーブルオイルとしての利用にも期待がもたれた.

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© 2008 日本食品科学工学会
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