日本食品科学工学会誌
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米粉,小麦粉およびそのデンプン焼成品の破断特性
肥後 温子和田 淑子
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2009 年 56 巻 10 号 p. 520-528

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抄録

上新粉,白玉粉として販売されているうるち米粉,もち米粉および糊化うるち米製品,米デンプンを用いてクッキー様焼成品を作成し,小麦粉,小麦デンプン焼成品を対照として各調湿条件下での破断特性の違いを比較した.
1. うるち米粉焼成品は小麦粉焼成品に比べて総エネルギー,最大応力が大きく,ピーク数が少ない硬い破断特性を示し,高湿度においてさらに硬化した.糊化したうるち米粉製品および加水量の多い焼成品では硬化度が著しく大きかった.
2. もち米粉焼成品はうるち米粉と小麦粉焼成品の中間的な破断特性を示し,高湿度で物性が大きく変化した.
3. うるち米デンプン,もち米デンプン焼成品の破断特性はうるち米粉,もち米粉焼成品の破断特性と類似し,高湿度で硬化した.
4. 米粉焼成品の硬化要因として,デンプン糊の作用,焼成品の密度,組織の不均一さが考えられる.

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© 2009 日本食品科学工学会
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