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日本食品科学工学会誌
Vol. 56 (2009) No. 12 P 628-638

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http://doi.org/10.3136/nskkk.56.628

報文

ココア摂取がヒト体表温を上昇させる影響を検討した.被験者は健康な女子学生(18-24歳)とし,体表温と抹消部の血流量を測定指標とした.測定は22℃±0.5℃,湿度50%±5%の恒温恒湿環境下,4通りの異なった条件で行った.結果は次の通りである.
(1) 実験1では,60℃に加温されたピュアココア飲料による影響を,栄養組成を揃えた飲料,水と比較した.ピュアココアは手首,足首,足指先に,体表温上昇傾向を示した.
(2) 実験2では,37℃に維持したピュアココア飲料と栄養組成を揃えた飲料を比較した.その結果,ピュアココアは手首に体表温維持傾向を示した.
(3) 実験3では,60℃脱脂ココア飲料と栄養組成を揃えた飲料を比較した.脱脂ココアは額における体表温上昇作用(p<0.05)と手指における体表温維持作用(p<0.05)を示した.また,同様の傾向は,腹と腰にも示された.
(4) 実験4では,実験3と同じ飲料を用いて就寝前状況を想定した実験を行った.脱脂ココアは栄養組成を揃えた飲料と比較し,腰・足首・足指先で体表温上昇作用(p<0.05)を示した.
以上の結果より,ココア摂取はヒト体表温上昇作用または維持作用があることが示された.また,その効果は脱脂ココアで特に顕著に観察された.

Copyright © 2009 日本食品科学工学会

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