日本食品科学工学会誌
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ジャンボリーキ鱗片から発生する泡成分の抗肝障害作用とサポニンの同定
内田 あゆみ陶 慧荻原 淳赤尾 真熊谷 日登美松藤 寛竹永 章生櫻井 英敏
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2009 年 56 巻 12 号 p. 639-646

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抄録

ジャンボリーキ鱗片から得られた泡粉末と比較のために鱗片末およびクルクミンを用いてGaINにより誘発される急性肝障害およびEtOHによって惹起される慢性肝障害モデルラットに対する影響を調べた.また同時に,推定関与成分として生鱗片からサポニンの単離・同定を試みた.その結果,ジャンボリーキの泡粉末および鱗片末は,GaIN,およびEtOHのラットへの投与実験において急性肝障害時の機能低下を抑制すること,またアルコール吸収を抑制することにより慢性肝障害を予防することを明らかにした.そして,その関与成分として既知のステロイドサポニンである(25R)-spirost-5-ene-2α,3β-diol-3-O-{O-β-D-glucopyranosyl-(1→2)-O-[β-D-xylopyranosyl-(1→3)]-O-β-D-glucopyranosyl-(1→4)-β-D-galactopyranoside},(C50H80O23,MW : 1048),カラタビオサイドAの存在を提示した.

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© 2009 日本食品科学工学会
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