日本食品科学工学会誌
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研究ノート
コメ貯蔵時の害虫防除処理および貯穀害虫の摂食がアレルゲンタンパク質に及ぼす影響
大羽 美香宮ノ下 明大森山 達哉川本 伸一橘田 和美
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2009 年 56 巻 4 号 p. 249

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抄録

食物アレルギー患者数は増加傾向にあり,特に先進国の消費者にとって大きな問題となっている.日本人の主食であるコメに対するアレルギーも報告されている.アナフィラキシーショック等の症状を示すことは非常にまれであるが,アトピー性皮膚炎の原因食物の一つとして考えられている.貯穀害虫防除を目的とした臭化メチル代替殺虫技術として開発された高圧二酸化炭素処理を玄米に対し施し,コメのアレルゲンタンパク質にどのような影響を及ぼすかについて検討した.また,従来使用されてきた,臭化メチルおよびリン化水素によるくん蒸処理も行った.さらに,貯穀害虫であるノシメマダラメイガ(Plodia interpunctella)の幼虫を玄米に投入し,摂食後のコメアレルゲンタンパク質への影響も検討した.その結果,これらの害虫防除処理,および貯穀害虫の摂食によるアレルゲンタンパク質への影響は認められなかった.

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© 2009 日本食品科学工学会
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