日本食品科学工学会誌
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研究ノート
チューインガム付着性に関する機器分析と高齢者によるアンケートとの対応性
坂ノ下 典正桜井 孝治中村 泰輔江端 より子柳沢 幸江
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2009 年 56 巻 6 号 p. 363-369

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抄録

低付着性チューインガムと一般チューインガムを調製し,2種のチューインガムの付着について,機器測定およびアンケート調査の両側面より比較検討した.アンケートは高齢者パネルを対象とし,若年者パネルの回答結果と比較した.
1) 付着性測定 : 乾燥条件において,低付着性チューインガムの付着性は一般チューインガムと比較して有意に低かった.しかしながら,水中条件に見られたような,プランジャー材料間の付着性の差異(アクリルレジンでは付着性が有り,ステンレスおよび象牙で付着性は僅か)は認められなかった.
2) チューインガム付着感のアンケート : レジン系歯科材料を用いていると思われる群,すなわち,『その他処置』群および『総義歯使用』群では,若年者パネル,高齢者パネルともに,低付着性チューインガムは一般チューインガムと比較して,顕著に付着感が低かった.また,回答全体および『金属処置』群において,若年者パネルと比較して,高齢者パネルでは2種のチューインガムの付着感の差が顕著となり,パネル間に有意差が認められた.これは,年齢による口腔乾燥度合いの差に起因するものと予想される.
物性測定とアンケートの対応性を検討した結果,チューインガムの付着感を予想する際,若年者および健常な高齢者の場合は水中条件による測定,口腔乾燥症のある人の付着感を予想する際は乾燥条件による測定を行うことが望ましいと考えられた.また,低付着性チューインガムは口腔条件に関わらず,一般チューインガムと比較して付着感の低いガムであることが示唆された.

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© 2009 日本食品科学工学会
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