日本食品科学工学会誌
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技術論文
三種の魚肉すり身製加熱ゲルの物性に及ぼす豚血漿と卵白粉末の添加効果の比較
加藤 登鈴木 康宏國本 弥衣北上 誠一村上 由里子新井 健一
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2010 年 57 巻 1 号 p. 26-31

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抄録

ホッケ,スケトウダラ,およびそれらの混合すり身に0~3%の血漿(P)または卵白(A)粉末を加えた肉糊を25℃で15時間にわたって予備加熱し,さらに90℃で30分加熱して二段加熱ゲルを調製した.加熱ゲルの破断強度(BS)と破断凹み(bs)をレオメーターで測定し,ゲル剛性(Gs=BS/bs)を求め,比較した.
0.5-1.0%のPとAを加えた加熱ゲル形成に対する影響は以下の点で類似していた.(1)同量のPとAを加えた加熱ゲルのBSとbsの最大値はほとんど同じだった.(2)予備加熱時間に依存して起こる二段加熱ゲルのBSとbsの時間的推移はPおよびAを加えても同じになった.(3)BSとGsの関係図で比べると,PとAを加えた加熱ゲルの物性上の特徴は,無添加の加熱ゲルのそれと類似していた.一方,3.0%のPまたはAを加えた加熱ゲルの物性の最大値および物性上の特徴はやや異なっていた.

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© 2010 日本食品科学工学会
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