日本食品科学工学会誌
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技術論文
LAMP法を利用したコシヒカリの高精度·迅速識別
岸根 雅宏奥西 智哉
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2011 年 58 巻 12 号 p. 591-596

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抄録

LAMP法を用いた簡易で迅速なコシヒカリの識別技術を開発した.コシヒカリを検出するプライマー(陽性プライマー)およびコシヒカリを除く品種を検出するプライマー(陰性プライマー)は,いもち病抵抗性遺伝子であるPi5-1とその感受性対立遺伝子の配列を用いて作製した.陽性および陰性プライマーによる上位48品種の増幅解析の結果,両プライマーは,それぞれコシヒカリもしくはコシヒカリ以外の品種を約90%の確度で検出可能であることが示された.また,粒サンプルからの迅速な識別を目指し,水酸化ナトリウムを用いた極簡易DNA抽出法の開発も合わせて行った.簡易法で抽出したDNAは,キットで精製したDNAとほぼ同等のLAMP増幅を行うことが可能であった.これらの手法を組み合わせ,コシヒカリとひとめぼれ(コシヒカリ以外の品種の代表)間における試料混入の検出を試みた結果,どちらのプライマーも1%の混入から検出可能であることが示された.

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© 2011 日本食品科学工学会
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