日本食品科学工学会誌
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蛍光指紋による小麦粉中のデオキシニバレノールの非破壊計測
藤田 かおり蔦 瑞樹杉山 純一久城 真代柴田 真理朗
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2011 年 58 巻 8 号 p. 375-381

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抄録

蛍光指紋を用いて人工的にFusarium感染させた小麦を粉砕した小麦粉中のデオキシニバレノール(DON)濃度の推定を行った.DON濃度の推定式作成にはPLS回帰分析を用い,小麦粉の蛍光指紋からDON濃度を推定する回帰式を作成した.
(1) キャリブレーション群およびバリデーション群における推定精度は決定係数R2=0.990とR2=0.983であり,残差もSEC=1.1ppm, SEP=1.4ppmと大きくは異ならなかった.
(2) キャリブレーション群におけるPLS回帰係数の絶対値は,励起波長240-400nm/蛍光波長500-600nmの波長範囲において比較的大きいことから,上記波長条件がDON濃度推定に寄与していると推定された.
(3) DON検知には迅速性が求められるため,計測時間の短縮を目的に上記波長条件における蛍光指紋のみにPLS回帰を適用した.その結果バリデーションデータの推定精度は,R2=0.977, SEP=1.6と全波長条件を用いた場合と大きく変わらず推定可能であることが明らかとなった.
以上のことから,蛍光指紋により,迅速かつ非破壊で小麦粉のDON濃度の推定が可能であることが示された.

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© 2011 日本食品科学工学会
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