日本食品科学工学会誌
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ベントナイトによる魚醤油中のヒスタミン低減
小善 圭一森 真由美原田 恭行横井 健二里見 正隆舩津 保浩
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2012 年 59 巻 1 号 p. 17-21

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抄録

市販の魚醤油に,一定量のベントナイトを添加することで魚醤油中のHm付着·吸着を試みた.また,魚醤油モデル溶液を調製し,温度,pHおよび塩濃度がベントナイトのHm吸着能に及ぼす影響を検討し,ベントナイトによる魚醤油中のHm付着·吸着の特性についての知見を得た.以下に結果を示す.
(1)市販魚醤油に対し,ベントナイト添加量が0.1∼30% (w/v)の範囲では添加量の増加に伴って,Hm付着·吸着量も増加し,高い相関関係が認められた.
(2)市販魚醤油中でのHm付着·吸着量はベントナイト添加直後(0.5分)から速やかに上昇するが,吸着平衡に達するには3時間程度を要した.
(3)魚醤油モデル溶液において,Hm付着·吸着量は,低温および低pH側で高く,高温および高pH条件下では低下した.一方,NaCl濃度はHm付着·吸着量に有意な影響を及ぼさなかった.

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© 2012 日本食品科学工学会
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