日本食品科学工学会誌
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研究ノート
攪拌処理による高アミロース米のゲル物性の変化
柴田 真理朗杉山 純一藤田 かおり蔦 瑞樹吉村 正俊粉川 美踏荒木 徹也
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2012 年 59 巻 5 号 p. 220-224

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抄録

本研究では,お粥を攪拌することによって調製された高アミロース米のお粥ペーストのゲル物性の特徴を明らかにするために,5種類の米を用いて,お粥ペーストを調製し,その動的粘弾性とアミロース含量および経過時間の関係を調べた.
(1) お粥ペースト試料の貯蔵粘弾性G'および損失粘弾性G”はアミロース含量が高いほど大きな値を示し,また経過時間とともに増加する傾向を示した.
(2) 高アミロース米(夢十色,モミロマン)で調製したお粥ペースト試料は,tan δが小さく,さらに殆ど経時変化しなかった.つまり,弾性の割合が高いため形のしっかりしたゲルを形成するとともに,ぷるぷる感のテクスチャーを保持することが明らかとなった.
今後は高アミロース米ペーストのゲル形成機構の解明および,上記の性質を利用して米由来の新しい食感の食品,さらには,食品の食感改良剤として利用が期待される.

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© 2012 日本食品科学工学会
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