日本食品科学工学会誌
Online ISSN : 1881-6681
Print ISSN : 1341-027X
ISSN-L : 1341-027X
報文
生ハムにおけるListeria monocytogenesの増殖に及ぼす水分活性とナイシンの影響
森岡 豊小谷 健二小齊 喜一大森 康雄府中 英孝三明 清隆後藤 清太郎渡辺 至上﨑(堀越) 菜穂子鮫島 隆中島 誠人猪口 由美西坂 嘉代子五十君 靜信新村 裕服部 昭仁
著者情報
ジャーナル フリー

2013 年 60 巻 11 号 p. 619-627

詳細
抄録

非加熱食肉製品である生ハムにおけるL. monocytogenesの増殖に及ぼすaWおよびナイシンの影響について5試験機関で検討した結果,以下のことが明らかになった.
(1)試験を実施した全機関の試験用生ハムにおいて,aw0.93 (0.930≦aW<0.940)では,10°Cで28日間保管してもL. monocytogenes,(血清型4b,Scott A株)の増殖は認められず,国内で製造される生ハムはaw0.94未満であれば原料肉のpHや食塩,亜硝酸塩および低温保管(10°C)などの条件が相乗的に作用してL. monocytogenesの増殖は抑制される.
(2)生ハムへのナイシンの添加効果は,主にL. monocytogenesの初発菌数を低減する殺菌的な作用である.
(3) aw0.94 (0.940≦aW<0.950)の生ハムでは,12.5mg/kgのナイシンを添加は損傷したL. monocytogenesの増殖に対して抑制的に作用する.

著者関連情報
© 2013 日本食品科学工学会
次の記事
feedback
Top