日本食品科学工学会誌
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研究ノート
果実の加工と放射性セシウムの動態
関澤 春仁山下 慎司丹治 克男吉岡 邦雄
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2013 年 60 巻 12 号 p. 718-722

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抄録

2012年に福島県内で収穫された果実を加工し,放射性セシウムの加工係数を算出した.各加工係数は以下のとおり.
梅塩漬け0.77~0.98,梅塩水漬け0.52~0.55,梅干し0.72~1.11,梅酒0.21~0.32,梅シロップ0.48,梅ジャム0.61,0.88,梅ジュース1.00,いちじく甘露煮1.35,いちじくシロップ漬け0.51,干しぶどう3.52,ぶどうジュース0.97,蒸し栗1.01,ゆで栗0.90,栗渋皮煮0.56,マロングラッセ0.20,ゆずマーマレード0.18,ゆず酒0.19.
加工品の放射性セシウム濃度は原料の濃縮や希釈によって増減したが,シロップ等の液体で加工する場合には放射性セシウムが原料から液体へ移行し,加工後の果実の放射性セシウムは低減された.

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© 2013 日本食品科学工学会
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