日本食品科学工学会誌
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塩蔵ダイコンの抗変異原性物質の同定と定量解析
松岡 寛樹須永 晃多宮下 さとみ砂原 由佳里深沢 聡美下田 未歩木村 紀久高橋 仁恵高橋 朝歌平田 大介
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2013 年 60 巻 3 号 p. 117-124

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抄録

Ames試験により塩蔵ダイコンのアセトニトリル抽出物中に抗変異原性を有する画分を見いだした.機器分析により,活性成分の一つとしてパルミチン酸を同定した.そこで,塩蔵ダイコンおよび市販タクアン漬け製品について,脂肪酸の定量解析を行った.主要な脂肪酸として,α-リノレン酸,リノール酸およびパルミチン酸が見いだされた.その他にパルミトレイン酸,ステアリン酸,オレイン酸および(Z)-バクセン酸などが存在した.干しタクアン漬試料の総脂肪酸量は274-680 μmol/100 g,塩押しダイコン由来の試料では124∼357 μmol/100 gであった.また,どちらの試料も脱水処理や塩蔵熟成中に遊離脂肪酸の比率が相対的に高くなった.一方,干したくあん漬けの脂肪酸組成比は新鮮ダイコンとほぼ同等であったが,塩押しダイコン由来の試料では多価不飽和脂肪酸の比率が相対的に低くなった.さらに,塩蔵ダイコンの主要な脂肪酸について,Ames およびumu試験を用いて抗変異原性試験を行った.Ames試験において,(Z)-バクセン酸の 4NQO に対する抑制活性は他の脂肪酸よりも高く,ED50値は 2.8 nmol/plate であった.

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© 2013 日本食品科学工学会
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