日本食品科学工学会誌
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冷凍によるコールドチェーン用温度管理インディケータの簡易化
須藤 あゆみ山本 貴志一色 賢司
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2013 年 60 巻 9 号 p. 466-470

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抄録

食品の安全性や品質の確保に広く用いられているコールドチェーンにおける温度上昇を警告する手法の簡易化を試みた.食用色素青色2号および赤色106号を混合すると,グリセリン水溶液中で温度上昇により青色から赤色に変色した.クエン酸を添加することにより,グリセリンの使用量を減少させることができた.この現象を利用して,色素のグリセリン水溶液をプラスチックフィルム製の透明小袋に充填し,凍結後,保存した.解凍後のインディケータは,Lmの増殖を警告する指標である4℃,96時間で徐々に青色から赤色に変色し,温度上昇を警告することが可能であった.環境温度が高くなるとインディケータの警告時間も短くなった.-50℃で24時間冷凍させる工程を導入することによって,食用色素を利用した温度管理用インディケータ作製を簡易化することが可能となった.

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© 2013 日本食品科学工学会
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