日本食品科学工学会誌
Online ISSN : 1881-6681
Print ISSN : 1341-027X
ISSN-L : 1341-027X
研究ノート
柿未成熟果実由来食物繊維の胆汁酸吸着能に対する加熱の影響とパン素材への応用
松本 健司増田 かおる武川 加奈子小栁 喬
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2014 年 61 巻 11 号 p. 543-547

詳細
抄録
柿の未成熟果実から調製したタンニン含量の高い食物繊維(柿繊維)は胆汁酸吸着能を有する.この柿繊維がパンの素材として利用可能かを調べるために,柿繊維に対する熱処理の影響を検討した.また,柿繊維を添加したパンを焼成し,動物実験で胆汁酸排泄促進効果を検討した.180°Cで20分間処理すると,柿繊維の胆汁酸吸着能は20%低下した.しかし,10% (w/w)の柿繊維を添加したパンをマウスに摂取させると糞への胆汁酸排泄が2倍に増加した.これらの結果から柿繊維はパンに添加できる機能性食品素材であると考えられる.
著者関連情報
© 2014 日本食品科学工学会

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 - 継承 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc-sa/4.0/deed.ja
前の記事 次の記事
feedback
Top