日本食品科学工学会誌
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技術論文
プロテアーゼを用いた白醤油の混濁防止技術の開発
近藤 徹弥石原 那美長谷川 摂伊藤 智之寺尾 啓吾
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2014 年 61 巻 12 号 p. 592-598

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抄録

貯蔵や流通中における白醤油の混濁や二次滓を防ぐことを目的として,酸性プロテアーゼ製剤であるオリエンターゼ 20Aの添加条件について検討した結果,以下のことが明らかとなった.
(1)淡口醤油や濃口醤油等の一般的な醤油で行われる火入れ-滓下げ法では白醤油の滓下げ後の混濁や滓生成を防ぐことは困難であった.
(2)白醤油の火入れ時に発生する混濁物質にはタンパク質が含まれており,白醤油中に残存するプロテアーゼが火入れ時に活性化してタンパク質を断片化することが示唆された.
(3)生白醤油に0.2 % (w/v)以上のオリエンターゼ20Aを添加後,90°C前後で火入れし,続いて滓下げを行うことにより,白醤油を清澄化することができた.さらに,コポロックSAの併用により保存後の二次滓生成を完全に防ぐことができた.本方法により,白醤油の貯蔵や流通中における混濁や二次滓の発生を防ぐことができると考えられた.

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© 2014 日本食品科学工学会
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