2015 年 62 巻 3 号 p. 130-134
本試験では,1日あたり1mgの加熱処理Lb. crispatus KT-11株をマウスに経口投与すると,インフルエンザウイルスの感染が招く体重の減少を軽減した.また,加熱処理Lb. crispatus KT-11株はRAW264細胞に添加して培養すると,IFNα,TNFα,IL-1αおよびIL-6の産生を促進した.これらの結果から,加熱処理Lb. crispatus KT-11株はマクロファージから感染防御機能に寄与するサイトカインの産生を促進することで,抗インフルエンザ作用に導くことが示唆される.このように,加熱処理Lb. crispatus KT-11株はインフルエンザウイルスによる感染を予防や軽減することを目的とした食品として,大いに期待できると考えられる.