日本食品科学工学会誌
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焼成菓子類における温度帯別力学特性と単分子層·多重層収着水分量との関係
肥後 温子和田 淑子佐藤 之紀
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キーワード: , 吸湿, 温度, 力学特性, 菓子
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2015 年 62 巻 4 号 p. 171-181

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抄録

市販の米煎餅,クッキーに焼成菓子を加えた糊化度の異なる6種の試料を用い,5∼40°Cにおいて調湿·調温時の力学特性と,WmMC値との関わりを調べた.
(1)すべての試料において,脆性破断する水分領域,Wm領域とも5°Cで最大となり,40°Cで最小となった.
(2)糊化度の高い煎餅は糊化度の低いクッキーの約2倍Wm値が大きく,脆性破断する水分領域が広くなった.
(3)糊化特性値,測定温度帯にかかわらず脆性破断領域とWm領域とはすべて一致した.
(4) MC領域内では力学特性が変化しやすく,試料の糊化特性値,測定温度帯によって硬化する場合,軟化する場合,硬化後軟化する場合があった.

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© 2015 日本食品科学工学会
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