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日本食品科学工学会誌
Vol. 64 (2017) No. 2 p. 51-58

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http://doi.org/10.3136/nskkk.64.51

報文

ベタレインは赤紫色のベタシアニンと橙黄色素のベタキサンチンからなる色素であり,アントシアニンやルチンなどのフラボノイドとは全く異なったベタラミン酸系含窒素色素である.この色素は中心子目(ナデシコ目)植物に特異的に含有しているが,その生体内吸収動態や生理機能については未だ不明な点が多い.本研究では,ベタレインの吸収動態と生体内抗酸化性を解明するために,小腸結紮ループおよび胃結紮ループ実験による血中代謝産物の経時的変化と生体内抗酸化性を調べた.下大静脈および門脈血清のベタシアニン濃度を分析した結果,配糖体(ベタニンおよびイソベタニン)が検出され,下大静脈では10分後に,門脈では15分後にそれぞれ色素量が最大値に達した.一方,門脈血清中のインディカキサンチン(ベタキサンチン)を分析した結果,5分後に色素量が最大値に達した.また,胃からの吸収動態を調べた結果,ベタシアニンは安定的に吸収されるが,インディカキサンチンは胃から吸収されない事が明らかになった.これらの結果から,赤紫色のベタシアニンは,主に胃と小腸から急速に吸収され,配糖体のベタニンとイソベタニンのまま生体内を循環することが明らかとなった.また,橙黄色のベタキサンチン(インディカキサンチン)は胃からは吸収されず小腸から急速に吸収され,ベタシアニンとは異なる吸収経路を辿ることが推定される.

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