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日本食品科学工学会誌
Vol. 64 (2017) No. 3 p. 139-149

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http://doi.org/10.3136/nskkk.64.139

技術論文

本研究では,高アミロース米を炊飯し,油脂存在下,或いは非存在下で機械的せん断,撹拌して得られた米ゲルをスケソウダラすり身に添加,混合·加熱して得られたすり身加工試料について,1)すり身単体,2)すり身+油,3)すり身+米ゲル,4)すり身+米ゲル+油,5)すり身+2倍量米ゲル+2倍量油,の5つの試験区のすり身加工試料を調製し,動的粘弾性測定,および貫入試験を実施して,物性の制御手法に関する検討を行った.結論を以下に記す.

(1)米ゲルの添加は,すり身加工試料の動的粘弾性においてE*およびtan δを上昇させる影響を及ぼす.

(2)米ゲルの添加は,すり身加工試料の破断歪みを低下させる影響を及ぼす.2段加熱の場合は破断荷重も低下させる.

(3)乳化した米ゲルの添加は,すり身加工試料の動的粘弾性において,米ゲル添加した場合よりもE*を有意に低下させる影響を及ぼす.

(4)乳化した米ゲルの添加は,米ゲル添加したすり身加工試料よりも破断荷重,破断歪みとも上昇させる影響を及ぼす.

(5) 2段加熱では,直加熱と比べ(1)〜(4)の傾向が強化される傾向を示す.

(6)乳化した米ゲルは,軟らかで且つ相対的に弾性の高い独特の質感をすり身加工試料に持たせることができる.

今後は油添加と高アミロース米ゲルのハイブリッド技術をさらに発展させ,実用的な魚肉すり身加工技術として独特の食感を持った水産ねり製品の開発が期待される.

Copyright © 2017 日本食品科学工学会

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