日本食品科学工学会誌
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グルタミン酸ナトリウムを添加した食事が青年期女性の食事誘発性熱産生および体表面温度に及ぼす影響
外山 健二倉貫 早智中村 丁次吉武 裕
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2018 年 65 巻 1 号 p. 15-24

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抄録

Monosodium Glutamate (MSG)を食事に添加することによる食事誘発性熱産生(TEF)への影響は明らかとなっていない.同一エネルギー量でMSG濃度の異なる食事を摂取したときのTEFおよび体表面温度に対する影響を明らかにすることを目的として,非肥満者の青年期女子14例を対象に調査した.350 kcal (1 464 kj)の食事に対し材料の重量の0.5% (0.5%食),0.25% (0.25%食)のMSGを添加した食事および無添加(0%食)の食事の摂取開始後から180分間,エネルギー消費量および右鎖骨部中央上部(右鎖骨部)および左鎖骨中線上の第7肋骨の下方部(左肋骨下方部)の体表面温度を測定した.TEFの曲線下面積は摂食開始後31-60分では0.5%食が0%食および0.25%食より有意に高値を示した(p<0.05).右鎖骨部の体表面温度は,MSGによる影響を受けなかったが,摂食開始後31-60分の⊿左肋骨下方部体表面温度のAUCで0.5%食が0%食および0.25%食より有意に高値を示した(p<0.05).今回,限定的な実験条件のもとでMSGの食事への添加により,摂食開始後31-60分でエネルギー消費量上昇がみられ,左肋骨下方部の体表面温度を上昇させる可能性があることが考えられたが,さらなる検討が必要である.

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© 2018 日本食品科学工学会
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