日本食品科学工学会誌
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技術論文
酸可溶性小麦タンパク質の添加が米粉混合パンの品質安定化に及ぼす影響
新井 千秋廣瀬 理恵子戸崎 幹子山口 聡鈴木 実宮森 清勝野口 智弘菊池 修平髙野 克己
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2018 年 65 巻 11 号 p. 518-528

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抄録

グリアジンを主成分とする酸可溶性小麦タンパク質(ASP)の大型製パン機械による米粉混合パンへの添加の影響を以下のように調べた.小麦粉の40%を米粉に置き換え,小麦タンパク質(グルテンおよびASP)の添加を10%に設定し,グルテンの20~40%をASPに置換することによって試験を行った.中種法では,ASPを添加することにより中種のガス保持性が向上し,本捏時には生地形成時間が短縮された.加えて,大量生産の際,分割工程中におけるフロアタイムの時間差で生じる生地の物性変化を抑制することでモルダによる成形性が向上した.また,生地内部の微細構造を観察するとグルテンネットワークが一定方向に伸びていることからASPによる伸展性向上効果が認められた.その結果,焼成後の内相は気泡の不均一性が改善された.さらに内相の硬さの経時的変化(2℃,24~96時間)が減少した.結論として,ASPの添加は大型製パン機械による米粉混合パンの製造工程の安定化および品質の向上をもたらした.

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© 2018 日本食品科学工学会
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