日本食品科学工学会誌
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圧縮米飯粒の色と画像解析による飯の老化評価
大田原 美保北原 茉美大石 恭子香西 みどり
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2018 年 65 巻 4 号 p. 170-182

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抄録

アミロース含量が異なる4品種の米飯を4°Cで0∼48時間まで冷蔵し,冷蔵後の飯を1粒ずつ0.1 mmの一定厚さに圧縮した圧縮米飯粒プレパラートを作成した.その色測定および顕微鏡撮影による透過光画像の解析より,米飯の老化を評価する新たな方法を検討した.

(1)圧縮米飯粒のLはアミロース含量が低い米ほどLも低く,いずれの品種も時間と共にLが上昇し,冷蔵による米飯の状態変化が品種間の違いも含めて示された.

(2)圧縮米飯粒を顕微鏡で撮影した透過光画像の面積は冷蔵により小さくなり,見かけの密度は増大する傾向が認められた.

(3)圧縮米飯粒の透過光画像の輝度ヒストグラムには品種による特徴が表され,また冷蔵保存に伴い,低輝度側へシフトし,その時間は品種ごとに異なった.

(4)透過光画像の2値化画像(しきい値 : 輝度値130)より算出した圧縮米飯粒白色面積率α130および圧縮米飯粒L値のいずれも,物性測定による硬さ,粘りとの相関が高く,米飯の物性との関連性が高いことが示された.また官能評価による老化感との相関係数は,白色面積率α130および圧縮米飯粒L値のいずれも0.96と極めて高く,これらの解析は,品種のごとの特徴や米飯の老化を評価する新たな方法となることが示唆された.

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© 2018 日本食品科学工学会
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