(1)見かけのアミロース含有率からコンカナバリンA法によって測定したアミロース含有率を差し引くことで,アミロペクチンの超長鎖(SLC)を推定できる可能性が示された.
(2)見かけのアミロース含有率25%~30%の高アミロース米の米粉に10倍量から15倍量の水を加えて加熱攪拌することで得られるゼリー状のゲルは,嚥下困難者用食品の基準に相当する物性を示した.硬さと付着性の比率から10倍加水ゲルの物性がより飲み込みやすいことが示唆された.
(3)飲み込みやすいと示唆された10倍加水ゲルの物性値は,見かけのアミロース含有率およびコンカナバリンA法によるアミロース含有率と有意な相関関係を示した.
(4)10倍加水もしくは15倍加水により調製した高アミロース米粉ゲルは3日間冷蔵保存しても物性の変化が少なく離水も認められなかった.
以上のことから,高アミロース米の米粉ゲルが嚥下食として利用できることが期待される結果が得られた.