日本食品科学工学会誌
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色彩を用いたチーズブレッドの香りの評価
森田 亜紀早川 文代香西 みどり
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2020 年 67 巻 5 号 p. 149-162

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抄録

ナチュラルチーズ6タイプ,計13種類を小麦粉に対して10 %添加して焼成したパンの香りの評価方法として色彩による評価方法を検討し,チーズブレッドの香りが色彩を用いて評価できることを明らかにした.また色彩による評価結果は揮発性成分とも関連付けることができ,以下の結果を得た.

チーズブレッドの香りについて色彩を用いて評価し主成分分析を行った.第1主成分はトーンの違いが寄与しており「チーズブレッドのこうばしい香りの強弱」,第2主成分は色相の違いが寄与しており「パンの香りのバランス」,と解釈できた.また分析型パネルの色彩評価の結果は,嗜好型パネルによりパンの香りのイメージが表現されていると評価された.

チーズブレッドの揮発性成分は,チーズ由来の揮発性成分である酸類やケトン類の他,イーストの発酵により生成したアミノ酸由来のアルコール類,酸類とアルコール類が反応して生成したエステル類,メイラード反応により生成したアルデヒド類や複素環式化合物類により構成されていた.揮発性成分と色彩評価の結果を相関分析したところ,主にメイラード反応により生成するアルデヒド類や複素環式化合物類はpale,lightと負の相関,deepと正の相関が見られた.

本研究によりチーズブレッドの香りは言葉や成分で表現可能なだけでなく,色彩により可視化できる可能性が示された.

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