2022 年 69 巻 3 号 p. 81-99
本研究では, 酵素活性ならびに粘弾性と食味の関係性について検討を行い, 以下の知見が得られた.
1. 酵素活性量は, 米飯の硬さ, 精白米の新鮮度との相関が高い.
2. 酵素のうち, β-ガラクトシダーゼ活性量が最も食味との相関が高い.
3. 粘弾性は米飯の食味に影響しており, 特に米飯の硬さや粘りとの相関が高い.
4. 澱粉分解酵素や細胞壁多糖分解酵素の活性が高いほど, 米飯がやわらかくなる.
5. 食味官能評価試験ならびに米飯の外観, 硬さ, 粘り, 鮮度から求められる“食味鑑定団”の指標は, 酵素活性量や粘弾性との相関がみられる.