日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
果実およびそ菜類のタンニン成分
(第1報)バラ科果樹果実のタンニン成分
中林 敏郎
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15 巻 (1968) 2 号 p. 73-78

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抄録

おもに未熟のバラ科の果樹の果実10種のタンニン成分をペーパークロマトグラフィーと分別定量法とで検討した結果,
(1) タンニン成分として(+)-カテキン,(-)-エピカテキン,クロロゲン酸,ネオクロロゲン酸などの遊離成分のほかに,ペーパークロマトグラム上で移動するもの,しないものの2種の会合型タンニンが約80%含まれる。
(2) 品種によってカテキンやクロロゲン酸類の構成と含量が異なり,成熟果ではタンニン含量が少なかった。
(3) 氷酢酸沈澱法で分離した会合型タンニンはカテキン,クロロゲン酸およびロイコシアニジンを含むが,それらの結合力はきわめて弱く,その一部が逐次解合してついには遊離型となると推定した。
(4) 会合型タンニンはポリフェノールオキシダーゼで直接には酸化されない。したがって果肉の褐変はおもに遊離のポリフェノール成分の酸化に基因する。

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