抄録
温州ミカン果汁の加熱臭を検討するため,加熱果汁中のカルボニール類を2, 4-DNP誘導体として捕捉し,その分割法について検討した。その結果シリカゲルカラムクロマトグラフィーと薄層クロマトグラフィーの組合せにより約12区分に分割できた。これらの区分中,比較的含有量の多い区からイソブチルアルデヒドを推定,アセトン,アセトアルデヒド,2-フルフラールを同定確認した。しかし果汁の加熱臭にはカルボニール以外の比較的低沸点物質も関与しているものと思われた。
本報告の要旨は昭和44年度園芸学会秋期大会で発表した。またこの試験は農林省総合助成試験事業補助金によったものである。