日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
ガスクロマトグラフィーによる乳酸菌飲料の乳酸の迅速定量
蔭山 勝弘安居 茂夫高橋 誠二
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

1974 年 21 巻 6 号 p. 288-290

詳細
抄録
乳酸菌飲料の乳酸をガスクロマトグラフィーによって,迅速かつ簡便に定量する方法を検討した。
乳酸の分離には,乳酸を揮発性の誘導体にかえずに測定することのできる10% PEG-6000 on TPA (1.5mガラスカラム)を用い,カラム温度120→190℃, 6℃/minの昇温分析法をとった。乳酸ピークの同定はGC-MS法によって行なった。
この定量法にくおいては乳酸を抽出したり,エステル化,またはトリメチルシリル化せずに,乳酸菌飲料に硫酸を加えて,その濃度を0.1%とした溶液を直接,ガスクロマトグラフに注入して分析し,乳酸を定量することができる。乳酸の定量性とカラムの耐久性についての実験結果も良好であり,この定量法は乳酸菌飲料の乳酸の測定に簡便なばか参でなく,VFAを対象にするときには,これらも同時に測定することができる方法としてすぐれている。
著者関連情報
© 社団法人 日本食品科学工学会

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 - 継承 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc-sa/4.0/deed.ja
前の記事 次の記事
feedback
Top