抄録
乳酸菌飲料の乳酸をガスクロマトグラフィーによって,迅速かつ簡便に定量する方法を検討した。
乳酸の分離には,乳酸を揮発性の誘導体にかえずに測定することのできる10% PEG-6000 on TPA (1.5mガラスカラム)を用い,カラム温度120→190℃, 6℃/minの昇温分析法をとった。乳酸ピークの同定はGC-MS法によって行なった。
この定量法にくおいては乳酸を抽出したり,エステル化,またはトリメチルシリル化せずに,乳酸菌飲料に硫酸を加えて,その濃度を0.1%とした溶液を直接,ガスクロマトグラフに注入して分析し,乳酸を定量することができる。乳酸の定量性とカラムの耐久性についての実験結果も良好であり,この定量法は乳酸菌飲料の乳酸の測定に簡便なばか参でなく,VFAを対象にするときには,これらも同時に測定することができる方法としてすぐれている。