日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
不溶性ナリンギナーゼに関する研究
(第1報) DEAE-セルロースによるナリンギナーゼの不溶化
松原 良土井 信明河村 洋治森下 淑朗
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1974 年 21 巻 8 号 p. 390-393

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抄録
柑橘類脱苦味剤であるナリンギナーゼを不溶化することを目的として,イオン結合法により担体,吸着条件などを検討し,DEAE-セルロースを担体としてpH6.0でナリンギナーゼを吸着させると,native酵素に対しほとんど100%の活性回収率を示すという結果を得た。
この不溶性ナリンギナーゼをnative酵素と比較検討した結果,(1)最適pHは4.5と変らないが酸性側での活性が強まる,(2)最適温度は50℃でやや低くなるが温度活性曲線のピークは若干プロードになる,(3)熱安定性は増しとくに60℃における差が著るしい,(4)保存性も非常に増加する,などの性質が認められた。
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© 社団法人 日本食品科学工学会

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